Scribbling −ギルモア邸のありふれた日常のヒトコマ− 『Love Painting(2002年8月9日発行)』より
「なぁ、ナンか描くもんない?」 「描くモノ?何に使うの」 「うん……」 「コレでいいかな」 「こんなん広告の裏じゃねぇかっ!!」 「どうせ、ジェットが使うんだから十分でしょう?」 「貧乏くせぇの。もっと大きな紙ねぇの」 「誰が貧乏臭いだって……」 「イテテ・…、引っ張るなっての耳……いてぇ」 「だったら、こっちを使ってよ」 「今度はカレンダーの裏じゃん」 「文句、言わない。で、何を描くの?」 「ああ…うん。この間、アルにゾウさん描いたじゃん。あんとき思ったんだけどさ。アルのあそこって銀色だろう?ゾウってより、マンモスかなって……。どうせ、描くんなら練習してカッコイイマンモス描きたいじゃねぇかよ」 「やっぱり…、どうせそんなもんじゃないかと思ったんだけどね。だったら、カレンダーの裏で十分じゃないか」 「でも…、よぉ」 「文句を言わないっ!」 「おばさんくせぇ〜のぉ〜〜」 「だったら、スケッチブック買うお金あげるから買ってくる?でも、その分のお金はジェットの今夜の夕食から引いておくから……」 「うっ・……。わかったよぉ〜、こいつで我慢する」 「イイ子だね。ジェットは、上手くマンモス描けるようになるといいね」 「おう」 「あら?どうかしたの。二人でキッチンで…、何、内緒話?」 「ああ、ジェットが今度はハインリヒのにマンモス描くから、練習用の紙くれって」 「ああ、そうだったの。そうよね。銀髪だから、ゾウよりもマンモスかもね」 「ひょっとして、聞いてた?フラン」 「ジェット、アタシタチ付き合い長いんだからそれくらいわかるわよ。でも、ジョー、だったら広告の裏で十分じゃない?」 「うん、僕も最後に清書する場所がハインリヒのあそこだろろう?だから、広告の裏で十分って言ったら、紙が小さくってイヤって言うもんだから……」 「ジョーも、ジェットには甘いわね」 「じゃぁ、俺」 「ジェット、後、1時間もしないでゴハンだからね」 「ヘイヘイ」 「ゾウの次はマンモスか……、よっぽど良かったみたいね」 「そうだね」 |
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From 'Love Painting' of the issue 2002/08/09