「っあ……、っぁぁあああん」
 バイキンマンは自分が漏らした声に赤く頬を染める。
 自分の声とは思えないほどに甘ったるい。
 強い自分に向けられる視線に誘われるようにゆっくりと瞼を開けると、そこにはアンパンマンの顔があった。
 手淫により逐情してしまったバイキンマンの精液がついた指をわざと見せ付けるように、アンパンマンは舌を出してぺろりと舐め上げた。
「久しぶりだもんね。バイキンマンのとっても濃い……」
 そう言うとアンパンマンはその汚れた手をバイキンマンの顔の前に翳す、耳元で舐めてご覧よと囁きながら僅かな隙間を空ける形で鼻から口を汚れた手で覆うようにしてくる。
 躊躇するけれども、セックスに対しての知識のほとんどないバイキンマンにしてみれば、アンパンマンの言うことは恋人同士の正しいセックスの形なのだろうと信じていた。
 だから、恥ずかしくも言われたとおりにゆっくりと舌を出した。
 ――――― ぺちゃり ―――――
 おっかなびっくり舐めると、自分のそれは青臭い香りと苦い味がした。
 おずおずともう一度、舌を出して自らの精液を舐める。
――――― ぴちゃり ―――――
 ほらもっとだよ。
 と耳元で囁く声のとおりに、柔らかな舌をアンパンマンの掌に幾度も這わせた。
「困ったな」
 アンパンマンはぼそりと言う。
 自分は何か気に入らないことをしてしまったのだろうかと、びくりとするバイキンマンに違うよとそう答えると、アンパンマンは下半身だけ露出しているバイキンマンの白い太腿に堅く勃起したペニスを擦りつけてくる。
「君があまりにも可愛いから、君を見ているだけで、こんなになっちゃったよ」
 いいかい? と律儀にこの後の行為に対しての了承を求めるアンパンマンにバイキンマンは小さく頷いた。





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The fanfictions are written by Kurataki Humiharu since'19/10/03