惑い
『やめてくれっ!! バイキンマン』 アンパンマンの忙しない息が切羽詰った口調に絡まる。 「ヤメテ欲しいなんて、思ってないくせに……」 バイキンマンはくすくすと笑いを添えてアンパンマンに答えた。 アンパンマンはベッドの上で四肢を大の字に広げるように拘束され、バイキンマンは一糸纏わぬ姿でアンパンマンの胸の上に乗り、股間に顔を埋めていた。 「お前のココは、正直なのだ」 ほおらと殊更その状況を誇張するかのようにバイキンマンはアンパンマンのペニスをぺろりと赤い舌で舐める。 最初にバイキンマンの手で、次にはバイキンマンの体内で、二度の射精にも関わらずアンパンマンのペニスはバイキンマンの口に含まれただけでまた頭を擡げてくる。触れられる刺激だけではなく、アンパンマンの視線の先には、バイキンマンの白い尻がある。 見せ付けるように広げられた小さな穴からは、収縮を繰り返す度に白い液体がとろとろと流れ出て来る。それは、自分がバイキンマンの体内に放ったものに間違いなかった。目の前で収縮するピンク色のアナルはあの快楽を思い出させ、生物としての本能を刺激する。 自分がコントロール出来ず、快楽に安易に流されてしまう。しかし、それにも逆らうことができない。 『バイキンマン』 普段は強気な彼に哀願するような口調で名前を呼ばれると背中がぞくぞくとして、普段では感じられない類の快楽に身体が支配される。 力の勝負で勝てないのなら、アンパンマンが得意ではなさそうな性的な部分を支配してしまえばよいと気付いたのは、食パンマンとセックスをしている最中だった。友達はいないけれども、セックスの相手にだけは困ったことがない。 素顔を晒して、声を掛ければ大抵の男は首を縦に振る。 バイキンマンの一族にとってセックスは娯楽に近い感覚がある。食事が栄養を取る為だけでなく、楽しみでもあるのと同じなのだ。 子孫を残す為だけでなく、楽しむものでもある。 だったら、アンパンマンも同じにしてしまえば良いのだ。 清廉潔白なアンパンマンを汚してしまうことに、倒錯的な喜びをバイキンマンは感じていた。 想像していた通り、アンパンマンは性的な知識はあっても、経験はなかった。 自分とセックスしたいが為に言うことを聞くようにしてやると、バイキンマンは丁寧にアンパンマンのペニスを舌で舐め上げる。毎回、痛い思いをしなくとも、キモチイイことをして勝てるのなら、敵であるアンパンマンとセックスしたとしても心など痛まない。 好きでなくとも快楽を得られれば、セックスをする意味はある。 「っああ、バイキンマン」 「気持ちイイだろう」 「ぁああ……」 「モッとシテヤル」 「バッ……、ッキンマン」 「おれ様に突っ込みたいだろう」 バイキンマンは拘束されたまま動けないアンパンマンのペニスを口に含みながら腰を誘うように振り、意識してアナルを収縮させるととろりとアンパンマンの残滓が大腿へと流れ出て来る。 アナルから大腿へと流れる残滓の冷たい感触に、アンパンマンの太くて硬いペニスを受け入れた感触を身体が思い出して、自然とバイキンマンのペニスも勃ち上がって来る。 「もっと、おれ様とキモチイイコトするのだ。アンパンマン」 そう言いながらも楽しそうに笑うバイキンマンに逆らうことが出来なくなっているアンパンマンが其処にはいた。 |
The fanfictions are written by Kurataki Humiharu since'19/10/08