具現された神々の饗宴7〜終焉への余韻〜



「アル……っ!!」
 メンテナンスを終えて、ギルモア邸にある自室に戻って来たアルベルトにジェットが文字通りに飛び付いて来た。それでも、軽いジェットの躯を片手で受け止めると、アルベルトは苦笑を漏らす。いつも、こうして自分が想像も出来ないようなアプローチを年下の恋人は仕掛けて来るのだ。
 それが、可愛らしく映っている自分はどうにかしてしまっていると、思いつつも子猫のように頬を自分の肩口に擦り付けてくるジェットの細い腰を抱く腕に力を込める。
「どうした」
 そう笑いながら、背中を軽く数度叩くと、肩口に懐いていたジェットは顔を上げて、年上のハンサムな恋人を睨みつける。その様は、構ってくれなかったじゃないと拗ねる猫のような瞳にアルベルトはつい笑みを漏らしてしまうのだ。
 普段でも、気を付けていないとジェットの行動を見詰めたまま、にやにやと鼻の下を伸ばして笑ってしまうそうになるのだ。004というキャラクター上、恋人の行動に鼻の下を伸ばしているわけにはいかないし、それに彼自身のプライドが許さないので、なるべく無表情を装っているが、つい第三者の目がないと顔の筋肉が弛緩してしまっているとの自覚がアルベルトにはある。
「どうしたじゃねぇだろう?」
 今度はニヤリと口の端だけを上げて笑うジェットが目の前にある。数秒の間にくるくると変わる彼の表情は万華鏡のようで本当に見ていて飽きることはない。だから、長い年月、彼を見詰め続けていられるのかと思う。
 「なぁ、俺、もうガマンできねぇ」
 ジェットは文字通りアルベルトに飛び付いたままである。腕を首に回し、足を腰に回し、子供が母親に抱き付いたような体勢でいるのだ。そして、アルベルトの左手に細い腰を支えられているジェットは、シルバーグレーの髪に指を潜らせて明確な意図を持って髪を撫で、その髪にキスを落とす。
「ねぇ、しよ」
 悪びれもなくジェットはそう言うと、アルベルトの頬に自分の頬を寄せる。そして、熱い昂ぶりをみせる肉茎をアルベルトの腹に押し付けて、欲しいのだと、まるで子供がキャンディーを強請るかのように無邪気にアルベルトが欲しいと強請る。
「なっ、アル……」
 甘えた声で彼を強請るジェットは本当に愛らしすぎるのだ。愛し合うことに、ジェットは衒いがない。堂々と愛し合ってるんだもんと恥じらいもなく言い切ってしまう潔さがあるが故に、自分から開けっぴろげにはしないものの、故意に隠すことが出来ないのだ。
 だから、自分との関係を他のメンバーにフランソワーズを除いてであるが、どう話しているのかちゃんとした形でアルベルトは聞いたことはないが、薄々は察しがついている。
 実際にジェット自身も明確な言葉としてアルベルトとの関係を誇示したことないが、どこをどう見ても出来てますという二人の態度に気付かない方がどうにかしていると他のメンバーは内心思っていた。サイボーグにされた哀しみを癒して、垂れていた頭を上げることが出来たのは少なくともジェットのこの無邪気さがあったからだ。だから、無邪気で無垢なジェットを皆が愛していたし、彼が幸せになるなら、別段、ホモのカップルが仲間にいたとしても手放しで喜んでやれる心優しい人達ばかりなのである。
 別名、娯楽とも言えなくはないが、とにかく、00ナンバー達は二人の行く末を生温かく見守っていると言う状態なのであった。
 そのくせに自分との関係を仲間に知られて良いのかと言うと頬を赤く染めて、困ると言うのだ。あれだけ、隠す意志すら見せないくせに困ると言う、本当に困った子猫ちゃんだとアルベルトの心の中には、可愛いから虐めてやりたいとの欲望が頭を擡げてしまうのだ。こう言う形でジェットを虐められるのは自分しかいなのだからとの独占欲が心地好く男の征服欲を満たしてくれる。
「今夜は、寝よう。俺も疲れた。なっ…。明日、相手してやるから……」
 まるで、ゲームか何かのような物言いにジェットの神経がブチリと音を立てて切れる。
 何日、躯の中に快楽の火種を幾つも仕掛けられたままで過ごしたと思っているのだろうか、アルベルトが欲しくても抱き合えない時間を彼のベッドの上で彼の存在を妄想しながら過ごした時間を返せと言いたい。
 ドイツでの、あの骨まで溶けてしまいそうな快楽の日々にジェットの躯は馴染んでいて、もうアルベルトと言う存在でしか極められなくなっている。自分でしようと思えないのだ。ただ、悶々と彼と抱き合う時間を待っているしか出来ない躯にしたのは誰だと言うのだ。
 自分にアルベルトなしではいられない悦楽を覚え込ませておいた挙句に、自分では達してはならないと、そう願いを口にされて、そんなに自分を独占したいのだという彼の欲望に触れて、自分はどれだけ歓喜に打ち震えたのか、分かっていないのかとジェットは思う。
 あれから、一度として、自分で自分を慰めたことはなかった。反故にしたとしても、アルベルトに知られるわけではないのにジェットはその約束を律儀に守り続けているのだ。彼の姿を見ただけで、熱いうねりを下腹部に感じて、眠れぬ夜を過ごした。
 それなのに、明日だと言われてジェットはガマンしていた数日によって、崩壊しつつあった我慢という堤防は完全に決壊してしまったのだ。
「明日だって……」
 少し垂れた眦をきりりと上げて、アルベルトの首に回していた腕を外すと後に上体を後に倒して、床に指先をつけるとそのまま後方に一回転してひらりと猫のようにしなやかに床に降り立った。そして、子猫が毛を逆立てるかのようにぴりぴりと怒りで気配を逆立てている。
 そんなジェットがアルベルトには可愛いのだ。だから、怒らせてみたりもする。ジェットに言わせると年下だから馬鹿にしているとの弁になるのだが、アルベルトからすれば、可愛いから構っているに過ぎないのだ。馬鹿だとは思うが、馬鹿にしたこともないし、その馬鹿さ加減が何とも、自分の保護欲と独占欲をそそってくれるから仕方がないではないかとアルベルトは思う。
「あんた、ナニ……考えてんだよ。ドルフィン号であんなことしておいて…、帰ったらって、言ってたじゃねェか……。馬鹿野郎〜〜、もう、アルなんか知らねェ・……・。勝手にしろっ…。そんなに俺とセックスすんのがイヤなら、浮気してやるぅ〜。ちくしょ〜、出て行けっ……馬鹿ぁ〜〜」
 ジェットはまくし立てると、アルベルトのベッドに潜り込んで跳ねた赤味を帯びた金髪の毛先を僅かに覗かせて毛布に潜り込んでしまった。
 その覗く毛先が俺は拗ねているぞというのをちゃんと物語ってる辺りが、どうもこうもアルベルトの構いたいという欲求のメーターを振り切らせてしまうのだ。
 アルベルトも時々、そんな自分の行動に責任が持てない時があったりもする。それが、数日前のドルフィン号での出来事であった。










 アルベルトが浅い眠りから覚めると、そこには困ったような顔で立ちすくむジェットの姿があった。どうしたのかと、上体を起こして、視線を当てると泣きそうに歪んだ顔にぶつかった。何があったのかと大きな声では問えない。何せ仲間達が眠っているのだ。仕方なく、毛布を持ち上げて、躯をずらして、スペースを作りおいでとジェットにジェスチャーで示すと、ブーツを脱いでマフラーとベルトを外してアルベルトの横に潜り込んできた。
 アルベルトの右手をきゅっと掴み、何かから逃れようとするかのように躯を寄せてきた。幾ら仲間達が眠っているとは言え、妙に自分とのスキンシップを求めるジェットに何かあったと考える方が無難であろう。
 全員が就寝してから、すぐにジェットはメディカルルームを出て行った。そして、続くようにジョーが出て行く。戦いの後、俺って中古かなと哀しそうにしていた彼がギルモア博士に面談を求めに行ったであろうことはアルベルトの予測の内のことであった。にしては、様子が変だ。
 ギルモア博士に面談したのなら、すっきりとした顔をしていても良いのに、何かに悩んでいる顔をしている。ギルモア博士は特にジェットには甘い、彼が鬱になるようなことを言う筈がないのだ。
『どうした』
 と囁きを耳元で落とすと、ジェットは嫌がるように首を振った。いつもは困ったように振る首は今は拒絶の意味が込められていて、アルベルトは些かむっとした。自分をジェットが拒んだことはないからだ。恥ずかしくてイヤだと言うことはあっても、アルベルトの求愛行動にNOとは言わない。そんな、妙に従順なところがあるのだ。
 それでも、めげずに首筋に右手を這わせるとジェットの躯がぴくりと揺れた。そして、軽くその細く尖った顎を掴み一つ口付けを落とそうとしてアルベルトは固まる。首筋につけた覚えのない歯型がついていたのだ。
 ジェットはイヤだと首を振っている。
 再び、耳元に囁きを落とす。
『こいつは何だ?』
 アルベルトの冷たさを含んだ囁きにジェットはぴくりと躯を強張らせる。そして、本当に困ったようにアルベルトの瞳を除き込んでくる。俺、どうしよう、どうしたらいいのアルベルトとその頼りなげな瞳が精一杯に彼の存在を求めている。
 と言うことは、ジェットとの合意の上での行為ではないらしい。
 それに、存外に貞操観念の堅いジェットはアルベルトとステディになってからは、彼以外とそういう行為に及んだことはない。スキンシップ好きで仲間にベタベタ懐いていても所詮はスキンシップの領域を出ることはないし、それは見ていれば分かることでもある。
 で、誰がと言うことになれば消去方でいけばジョーしか残らないではないか。でも、ジョーがと言うのは些か、アルベルトの持つ島村ジョー像と結び付かない。この手のジョークが巧いとは思わないが、どう考えても物理的に彼しかいない。
 自分の知らぬ側面が彼にはあるのだと考えるしかないではないかとの結論にアルベルトは至っていた。
『ジョーか?』
 そう囁くと、ジェットの躯は震える。間違いはない、相手はジョーなのだ。二人の間にあった出来事を聞き出せる状態ではない。後々、事情は二人から別個に聞くとしてだ。こうして無防備にこんなことをされてしまうジェットがアルベルトには許せなかった。
 彼の柔肌に痕を残しても良いのは、自分だけなのだと、アルベルトはそう思っているし、その権利を誰かに譲ろうとは欠片も考えたことはない。こんなに手の掛かる子猫は自分以外が面倒を見たら死んでしまうとそう感じている。
 だから、自分の隣に潜り込んできたのだろう。二人の間に何があったのかは分からないけれども、ジョーがジェットの首筋に痕をつけて、そのことに対してジェットは悩んでいるのだ。自分に対する裏切りだとそこまでは思っていなくとも困っていると言うのは誰が見ても分かる。
 アルベルトは宥めるように背を撫でて、気にするなと囁いた。
 縋るように見詰める瞳の傍に小さなキスを落とすと、ジェットは深い溜め息を漏らして、躯の力を抜いた。僅かに開いた口唇にアルベルトは引かれて、自らの口唇を合わせるとジェットの腰が揺れる。素足がアルベルトの素足に振れて、其処だけ触れる感触が妙に際立ち、他にも触れたいとの欲求が沸いて来るのだ。
 アルベルトはその気持ちに正直に従っていた。
 口唇と口唇を啄ばむように何度も合わせて、上着の裾から手を差し込み、そのまま迷わずにジェットのズボンの上から彼自身に触れるとジェットの腰が揺れて、抗議の声が上がろうとするのをそのまま口唇を深く合わせて塞ぐと、遠慮なく手をズボンに突っ込み、下着の中へと深く潜らせて行く。少し湿った感触と堅くなり始めているジェット自身に彼の鋼鉄の手が出会う。
 口は深い口付けで塞がれて甘い吐息を漏らせないジェットは鼻からくぐもった息を吐き出して、それでも、止めてとアルベルトに訴えかける。
 アルベルトは仕方がないと、そのまま毛布の中に潜り込むと早業でズボンを脱がせて、飛び出したジェットを含んだ。
「ひっ………」
 咄嗟にジェットは上がる声を自分の掌で抑えていた。アルベルトが消えた視界には隣で眠るジェロニモの巨大な背中が飛び込んで来たのだ。アルベルトの胸に抱かれて見ることが出来なくて気にもしなかったのだが、ここは、メディカルルームで、自分以外の仲間もいるのだ。
 大声を出せば、起きてしてしまう。けれども、このままアルベルトにされてしまったら、自分は絶対にあられのない声を上げてしまう。そうしたら、仲間にアルベルトとの仲を知られるだけでなく、セックスをも見られてしまう。
 これが、第三者なら俺の恋人って凄くセクシーで、もうメロメロに俺、愛されて幸せとぐらいは言って退けられるし、セックスを見られたところで刺激的と捉えることは出来るけれども、仲間が相手ではそうはいかない。薄々は皆気付いているとは思うが、でも、面と向かっては言われたことはないし、恥ずかしくて自分とアルベルトとステディな仲だと言えるわけがない。
 見られたり、気付かれたら、恥ずかしくて死んでしまいそうになってしまうし、そうなってしまったら、皆の顔を正面から見られない。
 それなのに、アルベルトは容赦なくジェットの弱い部分を攻め立てる。左手の人差し指の根元を噛んで吐息を漏らさぬように耐えつつ、右手でアルベルトの不埒な行為を止めさせようとするが、片手では、アルベルトを動かすことも出来ない。
 突然に口腔に含まれて強く吸われると同時に根元に軽く歯を立てられて、ジェットは思わず両手で自分の口を必死で塞いだ。
 見られるかもしれないというスリリングな刺激と、アルベルトの姿が見えない状態での局部だけに対する愛撫に躯がついてはいけない。ジョーに触れられて僅かに点った快楽の火は、アルベルトに抱き締められただけで、簡単に燃え広がる。
 徐々に愛撫の手を下腹部に下げられていったのならまだ、準備が出来たのに、囁きもベッドに続くスキンシップもなく突然、口腔に含まれるセックスにジェットの精神は何とかついていこうと暴走を始める。
 止めてと声を上げれば、喘ぎが漏れる。それに、躯はアルベルトの齎す愛撫を欲しがってその場から逃れることを拒否している。でも、アルベルトに愛されていることを皆に知ってもらいたいという気持ちも何処かで働いて、ジェットは涙を流して、快楽に耐えていた。
 きつく閉じた瞳には何も映ってはいないのに、まるで、空を始めた飛んだ時のような酩酊感を覚えた。地上での平行感覚と空での平行感覚は全く異なるものとであり、空を長い間飛んだ後には平行感覚がズレて視界が揺らぐことが間々ある。そんな感覚に至極似た眩暈にジェットはどうしようもない自分の状態を自覚せざる得なかった。
「くっ……っふ…」
 根元を指で塞き止められて、余すことなく舌を使って舐められ、先端から流れる雫を吸い取られる。音はしてもいないのに、チュと吸われた音が大きく響くような錯覚を覚える。でも、次第にアルベルトの齎す快楽に躯が反抗できなくなってしまっていたし、また、精神、いや骨まで溶けるような快楽には勝つことは出来なかった。
 どんな状況でもアルベルトが与えるモノであるからジェットにはそれを拒絶することは出来ない。
 アルベルトが求めてくれるのだと思うと、それだけで躯が歓喜に満たされて達してしまいそうになるけれども、アルベルトは指で塞き止めて許してはくれなかった。
「っあ……」
 アルベルトの口唇が離れて、残念と言う気持ちと、助かったと言う複雑に入り混じった心に困惑しながら、ジェットは深い息を吐き、毛布の中から顔を覗かせるアルベルトを見詰めた。
『アル……』
 熱い躯を持て余して、触れて欲しいと懇願する意味で彼の名前を呼ぶと、彼は突然、ベッドから降りてしまう。追い掛けようにも、ズボンを下着ごと下げられてしまっている状態では立ち上がることもままならない。
 上体だけ起こして、アルベルトの防護服の背中を掴むとアルベルトはジェットの手を取り、その白い華奢な指先にキスを落とし、耳元に囁きを注ぎ込む。
『たまには、楽しみを取っておいてもいいだろう?戻ったら、シーツが使い物にならなくなるほど、してやるよ』
 その台詞にジェットが、期待の吐息を吐き出した時にはアルベルトはジェットから離れていってしまっていた。
 そして、メディカルルームの扉が開き、自分を困惑させていた男は姿を消してしまったのである。残されたジェットは、熱い躯を持て余しつつも自分では処理出来ないまま、眠れぬ一夜を過ごすことを余儀無くされたのだった。








「悪かったよ」
 毛布の上からそっと頭を撫でると、ジェットの躯がびくんと動いた。
「お前があまりにも好きだから、独占したくなる」
 その台詞にそっとジェットの目から上だけが覗き、じろりとアルベルトを見た。青い情欲に潤んだ瞳は怖いというよりも、アルベルトの溜まりに溜まった欲望を煽るのに十二分な艶を持っている。それでなくとも、シタイと訴えるジェットの瞳には勝てないアルベルトなのである。
「あれから、お前、俺のことしか考えてなかっただろう」
 その台詞にジェットは尖らせた口唇を覗かせる。完全に小作りな顔が毛布から出てきたのだ。毛布を被っていたせいか頬が上気して、目元に残るそばかすの跡を浮き立たせた。
「お前に、俺のこと以外、考えさせたくない。ジョーに何を言われたのか、何をされたのか知らんが、少しでも、ジョーのことを考えたお前が憎らしい。お前は俺のことだけを、俺に抱かれることだけを考えていろ」
 随分な言い分だと反論をジェットはしなかった。本当にアルベルトに縛られて、彼の事以外は考えたくない程に自分を独占して欲しいのだ。だから、そう言ってくれることが嬉しくてならない。ジョーとも気まずくてちゃんとした話しは出来てはいないし、アルベルトを待っていただけで、随分、半端をしてしまったと思う。ジョーにはちゃんと自分はアルベルトが好きで二人はステディな仲なのだと言わないといけないと考えていたのに、アルベルトのことしか考えられなかった。
 彼の齎す愛欲しかジェットには考えられなかったのだ。
「アル……。本当にシーツが使い物にならなくなるくらい愛してくれる?」
 首を傾げるジェットにアルベルトはキスで答えてくれる。
 アルベルトは見上げるように自分を求めるジェットが愛しくてならないのだ。ジョーとジェットの間にあったことは一応、ジョーから事情徴収はしてある。可愛いだけの男かと思っていたけれども、その強かさと計算高い裏にある性格に、今まで、ジョーに虐められたと泣き付いてきたジェットの言っていることがあながち大げさなことではないと実感した。けれども、敢えて、それを止めようとは思わなかったのは事実だ。
 そうすればジェットは何のかの言っては自分の腕の中に飛び込んでくる。だったら、ジョーの八つ当り的所業も多少は見逃しても良いと言う気分になっていた。
 首を傾げるジェットにアルベルトは触れるだけのキスで答えてくれる。そして、ジェットは嬉しそうに笑いながら、腕を伸ばしてアルベルトに抱き付くと強引に自分よりもずっと重量のある彼をベッドに引き摺り込んだ。





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