朝食はベッドで
二人で抱き合った朝のあいつの声は少し心配そうで、でも、満たされていてオレはすっごく好きなんだが、そのことはオレだけの秘密だ。 身動ぎすると、昨夜から明け方まで散々、掘られまくったアナルが痛いと悲鳴を上げる。腰の位置を変えただけで、やつに注ぎ込まれた証がとろりと流れ出できちまう。 でも、オレは嫌だと思えない。 すかして、すましてセックスなんか興味ありません。なんてストイックな顔してるこいつが余裕をかなぐり捨てて、オレの躯に溺れる。セックスを覚えたてのガキみてぇに幾度もオレを突き上げ、抱き締め、喘ぐ以外に何もできねぇくらい…、激しい、そんなセックスを強請るんだぜ。 「ジェット」 もう一度、オレを呼ぶ。 薄っすらと目を開けて視界にヤツを捕らえると笑う。全く、子供みてぇだ。散々オレを啼かしたのはてめぇだろうが…なんて言ったって、困った顔して、アイシテルから仕方ない。ジェットだから欲しくなるなんざぁ、尻が痒くなりそうなくらい臭い愛の言葉を囁いてくれるから性質が悪いし、それにメロメロとよろめいちまうオレも大概馬鹿だ。 「アル」 掠れた声は、昨夜のセックスの激しさを物語ってる。 どうも、こいつとセックスするとオレがダウンするまでしちまうんだ。大抵、オレが先にシーツに沈む、そして朝起きると躯が綺麗に拭われていたりするけど、今朝はそうじゃないってことは、こいつもオレと同時にダウンしたらしい。 ざまぁみろだ。 「何、笑ってる」 いいねぇ。その穏やかな声は多分、オレしか知らない声だ。 「愛されてるって、いいもんだな」 「当たり前だ」 そう言ってオレの髪を優しく撫でる。人を殺傷することの出来るその右手はオレにだけはとてつもなく優しい。嫌、オレ以外には決して優しくはない。この右手で感じられるのはオレだけだし、ヤツはこの右手でオレ以外は決して抱かない。 そう言う意味合いを込めて触れられるだけで、朝っぱらから、やる気になっちまう。髪を撫で、戯れるように耳朶に触れ、顎へと流される鋼鉄の感触、それがまたたまらない。 散々、捻り込まれたはずのアナルがきゅっと閉まっちまうし、散々搾り取られたはずのペニスが少しだけ元気になる。全く、オレってスキモンだと思うんだが、こいつ相手だとそうなっちまう。 互いがドロドロに、境目がわかんねぇくらい抱き合わないとセックスした気がしねぇ。 「愛してるわりには、扱いが惨いんじゃないか」 ってオレは少し顔を歪めて見せると奴は笑う。オレの要求なんてお見通しってわけだ。それくらいオレ達の付き合いは長い。まあ、恋人になってからはそんなに長いわけぢゃないけどな。 「なら、今日は、大切にしてやる」 そう言うと、奴はオレの上に圧し掛かってくる。あのアルベルトさん、大切にするってぇのは、風呂の用意してくれて、バスキューブなんか入れてくれたりしてさ、食事はベッドの上で、ってそういうのオレは要求してたし、いつもそうじゃないか? と抗議をしようとちょっと手足をばたつかせる。 「ここが、元気になってるからな。ちょっとお休みして頂いてから、お前の考えてるようにちゃんと風呂にはバスキューブも入れてやるし、朝食はお前の好きなハンバーガーを作ってやるよ」 と言いつつ、オレのペニスを鋼鉄の手できゅっと握り込む。 「っああん」 声が出ちまうぢゃねぇかよ。 でも、あれだけ喘いで、何度逝ったか記憶もないくらいなのに、オレの下半身ってむっちゃげんきんなのな。相手がアルっていうだけで、健気に涙流してんの。 アルの鋼鉄の指はいやらしく収縮するオレのアナルに伸びる。触れられるだけで、突っ込んで欲しくてたまらなくなっちまう。 アルのペニスはでかくて硬い。アナルが押し広げられる感覚に、こいつに支配されるって陶酔感がオレの中に湧き上がってくる。 もっと惨く、アル以外のことを考えられないくらいに惨く、もっと縛って欲しい。 リズミカルにアルの左手がオレのペニスを弄ってくれるが、こんなんじゃ足らねぇに決まってんじゃねぇか。もう、貫かれる悦びは躯に染み付いてて、それ以外ではオレは決して極められねぇ。 極端なこと言っちまうと、後から突っ込まれただけで、オレは逝っちまうことが出来るぐれぇに、すっかりアルに染められちまってる。 「なあ」 「なんだ。風呂で躯を綺麗に洗ってやろうか。この中まで」 って言いながら、突っ込むなってぇの。 「っああ、いいい……」 たまんねぇや。もう、我慢の限界っ。 「ああ、突っ込んでくれよ。オレ、あんたに突っ込んでもらわねぇと、逝けねぇっつうの」 「分かってるぜ」 とオレのペニスにあいつは自分のペニスを擦り付けてくる。なんだよ。あんたもギンギンなんじゃねぇか。やる気モード全開じゃん。だったら、さっさと突っ込めってんだ。ほら、散々あんたに突っ込まれたアナルが意識しなくたって綻んできちまう。あんたのすっげぇペニスの形、オレのアナルはちゃんと覚えてんだぜ。 そう言いながらオレのペニスを弄ってんじゃねぇよ。 もう、我慢できねぇ、あんたも準備万端ならさ、さっさとあんたのをくれよ。あんたが欲しくって欲しくってもう腹ペコだぜ、ったくオレを飢え死にさせる気なのか、あんたは。 「ほら、あんたが欲しくって、とろとろだぜ」 ってオレは自分の膝の裏を抱えながら腰を上げる。 あいつの目の前には、あんたの精液に塗れ内壁まで捲くれ上がったオレのアナルが見えてるはずだ。ああ、あんたに突っ込んで欲しい。 「ジェット」 ああ、もうすぐヤツのペニスがオレを貫く、その瞬間オレは例えようのない幸福に包まれるんだ。 いいだろう。 せいぜい、会えるのは一月に1回、多くて2回だ。しかも、最長3日で、だいたい2日が精一杯だ。互いに住んでる場所も違う。仕事もある。いくら休みを示し合わせるにしたってそれが限界なんだ。 会った時、あほうみてぇに盛って何が悪い。 オレはこいつとセックスしてぇ、それがナニがいけねぇんだ。話しはしてるじゃん。躯で仕草でオレを見るその目でオレを愛してるってあいつは言ってるし、オレはオレの躯でこいつを愛してるって伝えてる。何がいけねぇんだよ。 「っくんんん、っあああ、もっと…、っああ・・・・・・」 すっかり成長したあいつのペニスがみしりとオレのアナルに突っ込まれる。 ああ、たまんねぇ。 オレはこれが欲しい。 こいつに貫かれたい。愛されたい。 もっと奥まで、淫らにオレを犯して欲しい。 無茶苦茶に犯して、ボロボロになったオレを優しく包んで欲しい。 奥まで届いたあいつのペニスをきゅっと優しく包んでやる。それに反応してぴくりと動く感覚、それすらオレの内壁は忠実に拾ってやがんの。 オレはオレが、オレを無茶苦茶に犯しても良いとそう決めた男の太い首っ玉に抱きついて、耳朶に歯を立てる。オレとは違ってこいつの皮膚に痕は残らないが、耳朶の部分は他の部分と違って少しだけ、やわに出来ていて2日ぐらいは歯型が残る。耳の後ろなんか気付くのは、絶対にこいつに気がある証拠だ。 そんな連中への少しばかりの牽制。 する必要はねぇけど…。 だって、こいつはオレ以外を愛したりはしないからさ。 「アル、もっとしてくれよぉ〜」 オレは甘えた声を出して、アルに抱きついた。 そういつもの朝の光景。 夜も、朝も、昼も愛し合うのがオレ達の流儀…だろ?アル。 |
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