愛のサル山日記 某月29日



 やはり、ジェットをサル山に帰したのは正解であったようだ。
 食欲も戻り、日に日に元気になっていく様子が手に取るようにわかる。今日の検診でも、問題はないとこが分かった。
 怪我が癒えぬままサル山に戻ってきたジェットをアルベルトが抱きかかえ夜も寝ずにジェットの様子を見守り、ジョーはジェットに優先的に餌を食べさせていた。アルベルトが休んでいる時は他の仲間がジェットにつきっきりであったし、まるで人間の忘れていた情愛の深さをまざまざと見せ付けられたような気持ちであった。
 検診が終わり、サル山にジェットを帰したところアルベルトが入り口に待っていた。ジェットがサル山に戻っていくと、肩を抱きまるでどうだったと話しかけているように見えなくもない。
 取り敢えず、安心というところであろう。



ギルモア霊長類研究所所長 アイザック・ギルモア






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